no title - 01 ( DESTINY TV第1話 より ) | ||
キラは女の子です TVにはまだ出てこない上にどこにいるのかわからないキラを オーブにいて、という設定にしました(詳しくは話中にて) TV第1話の少し前から始めます キラ中心に話を進める予定ですので 特に記述がない場面でのアスランとカガリは だいたい本編通りと考えてください 但し連載開始時はまだ第4話なので(話を考え始めたのは第3話) 話の展開がどこまで本編に沿っていくかはわかりません |
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「カガリ!」 バン、と。 ドアを乱暴に開けて、キラが駆け込んできた。 「・・・キラか」 着替えの途中だったカガリは、苦笑しながら上着を手に取る。 ふわりと広げ、腕を通した。 「カガリ、本気なの!?」 「・・・よく入ってこられたな。 うちのガードは、キラに甘くて困る」 ここは、地球。 オーブの代表首長であるカガリ・ユラ・アスハの執務室。 その奥にある、カガリのプライベートルームである。 執務室内はもちろん、その前の廊下にも、ガードが立っているはずだった。 「なにを言っているの。 一応、私はカガリの・・・じゃないっ。 代表の秘書の1人ですからね」 うっかりいつもの調子で呼んでいることにやっと気付き、キラは慌てて言い直す。 「秘書っていっても、キラは政務にはノータッチだろう。 ここだって、私が呼ばなければ来やしないじゃないか」 「・・・私を通せないようにするなら、ね。 女性のガードもつけなさいよ まったくっ」 日頃から、キラはカガリにそう言っていた。 秘書官には女性もいるが・・・。 「キラの言うこともわかるがな。 私は、そうするつもりはない。 ガードを務めるほどの女性がか弱いとは思わないが・・・。 どうしても、気になるんだ」 代表に就任した当初は、女であるカガリのために、ちゃんと女性のガードが用意されていた。 しかし、守られることに慣れないカガリは、同じ女性に守ってもらうというのは、と。 「で・も!カガリは女の子なのよ。 立場的にも、まずいでしょう」 「・・・お前」 「・・・なに?」 じっと見つめてくるカガリに、気勢を殺がれたキラは首を傾げる。 ぽやっとしたそのキラを見て、カガリはしみじみと言った。 「お前、変わったなぁ、ほんと。 あの頃、私はキラが女だなんて思いもしなかったんだぞ。 今なら、間違いようがない」 「そりゃ、男でいた方が都合が良かったから。 って、まだ言うの? ちゃんと女らしくしようとし始めて、もう2年よ」 「そうだな、もう、あれから2年だ」 口調を改めたカガリに、キラもはっとする。 ここに飛び込んできた用件を思い出したのだ。 「カガリ!」 身支度を整えたカガリは、キラを残して、執務室への扉を開けている。 慌てて続くキラは、手を伸ばしてカガリの腕を掴んだ。 「キラ・・・」 「確かに。 私は政治とか、そういうのはまだわからない。 けど、今度のことは」 言いかけたキラを遮り、一つの声が響く。 「そこまでだ、ヤマト秘書官」 「アスラン! もう戻ったの!?」 「なんだ、やっぱりキラは、こいつのいない時を狙ったんだな。 でなきゃ、通れるはずないか」 「代表。 艦の準備が整いました」 納得したように頷くカガリに、アスランが事務的な声で告げた。 カガリはこれから、プラントへと赴く。 プラントの最高評議会議長と会うためだ。 言い出したのはカガリである。 「ああ、わかった」 「ちょっと、アスラン! なんで、反対しないの!?」 「俺の仕事は、代表の補助とガードだ。 政策やその思想に口を出す立場では」 「石頭!」 「い・・・って、キ、・・・ヤマト秘書官。 そもそもお前はここでは」 「私も行く! 私も行きますから、アスハ代表!」 「ちょっと待て」 高らかに宣言するキラに、カガリが慌てて止めようとした。 アスランは、キラが言い出すことを予見していたようで、ため息を吐くだけに止めている。 「今度の同行者は男性ばかりとお聞きしました。 言っておきますが、断れば、マーナさんがついていきますよ」 「そんな馬鹿なこと」 「ほんとですよ。 だって、私がこのことを知ったのは、マーナさんから相談されたからなんですから」 胸を張るキラから嘘は微塵も感じられず、カガリは諾と答えるほかは無かった。 *** next |
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