独り−24 | ||
キラは女の子 | ||
「アスラン? なんか、さっきより人が減ってない?」 「隊長が時間を無駄にするな、と」 手を繋ぎ、慣性で移動しながら、目的の場所を見る。 問題のモビルスーツの周りに集まっていた人々のほとんどは既に別の作業に散っていた。 「・・・あの人がいるの、ね」 ラウ・ル・クルーゼ・・・ キラの声は微かに震えている。 アスランはキラの手を握る手に力を込めた。 「・・・隊長に、見せた」 何を、とは言わないが、キラにもわかる。 「キラに黙って勝手をしてすまない」 「・・・ううん。いいの。 アスランがその方がいいって判断したんでしょ? それに、当事者には知る権利があると、思う。 ・・・やっぱり、そうなんでしょ?」 「・・・ああ。 だが、キラは気にしないでいた方がいい」 *** 慣性でモビルスーツに近づいた二人を、傍にいたニコル達が腕を伸ばして止める。 「あ、ありがとうございます」 無重力って、やっぱりちょっと・・・。 うっかり、変なところに激突しそうよね。 と、あ・・・、クルーゼ隊長さん・・・。 キラの前に立つアスランの肩越しに、クルーゼが見えた。 「隊長。キラ・ヤマトを連れて参りました」 「彼女に説明は?」 「いえ。実際に見た方が早いだろうと思います」 「では、・・・・・・・・・?」 「キラ?」 クルーゼが話しかけようとしたが、キラは俯いてしまっていた。 アスランにも返事を返さない。 さらに声を掛けようとするアスランを、クルーゼは止めた。 「キラ・ヤマト。 君が何を気にしているか、わかっているつもりだがな。 あの件は、君自身には関わりのないことだ。 君が引け目を感じる必要など無い。 顔を上げたまえ」 言われてキラはゆっくりと顔を起こす。 その瞳は潤んでいた。 アスランはああ言っていたが、本人から言われ、ほっとして泣きそうになっている。 「わかったかね?」 「は・・・、あ、はい」 「それでは、話に入っていいな」 「キラ、いいね?」 キラはアスランに頷いた。 *** ストライクのコックピットに座ったキラは、アスランから事の経緯を聞かされた。 「システムに、ロック?」 「キラがやったんだろう?」 「え、えっと、その、・・・どうだったかな?」 頬に手をあて、首を傾げるキラは、まるで憶えが無いように見える。 実際、見ているニコル達はそう思った。 アスランが言うから、キラかもしれないということになっただけなのだから。 「違うんじゃないですか?」 「やってないなら、そう言えばいいんだぞ」 だが、アスランはキラのことをよく知っていた。 「キラ、起動してみてくれ」 「あ、うん」 キラは昨日教わったのを思い出しながら、起動していく。 と、途中でメッセージが表示され、数秒後に落ちた。 「・・・」 「キラ、君だろう?」 「・・・うん///」 メッセージを見た瞬間、キラは呆然としてしまう。 アスランが訊くと、キラは頷きながら顔を赤らめた。 「ごめんなさい。つい、やっちゃったみたい・・・」 「だろうと、思ったよ。 相変わらず、無意識か。 未だに変な癖が残ってるんだな」 「おい、どういうことだ? キラがわざわざ起動できなくしたのか?」 「そうじゃない。落ち着いてくれ、イザーク」 不穏な気配を纏ったイザークに、キラがびっくりしている。 「ごめんなさい。あの、そんなつもりじゃなくて。 いえ、どんなつもりも無いんですけど。 大事なプログラムだと思うと、ついロックをつけちゃうことがあって・・・」 焦って言い訳にもならないだろう言い訳を言いながら、手を忙しく動かすキラ。 「・・・すぐ、起動します」 *** next |
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勝手に変な癖をつけてしまいました どうしてそうなったかというと・・・ 一応考えてはあるのですが、多分読む人はどうでもいいと思うので 書くのやめときます いや、たいしたことじゃないので、はい さらっと流してくださいませ |
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