独り−7 | ||
キラは女の子 | ||
「これで・・・いいんですか?」 「ああ。上出来だよ」 キラはアスランとラスティに言われるとおりにストライクを着艦させた。 ザフト艦・・・戦争をする艦。 ここにいる人はみんな、軍人なのね。 ・・・アスランも。 「悪かったな、俺が怪我なんかしたせいで。 すっかり巻き込んじまった」 「そんな、こと・・・。 自分から巻き込まれたようなものです。 それに・・・」 ここには、アスランがいる。 『キラ、開けてくれ。』 キラがストライクのハッチを開けると、開ききらないうちにアスランが入ってきた。 アスランの翠の瞳と目が合った瞬間、キラの瞳から涙が落ちる。 それを見たアスランの顔が心配そうにくもり、その手がキラの頬に触れた。 「どうした、キラ?」 「え?」 「涙が・・・」 自覚の無かったキラは、自分が泣いているのを不思議そうにする。 「変、ね。どうして・・・」 「ありがとう、キラ。助かったよ。 ごめん、こんなことさせて」 言って、アスランはキラの目元にキスを落とした。 「先にラスティを医療班に渡すから、ちょっと待っていてくれ」 *** 「あんまり、人前でああいうことするなよ、アスラン。 ・・・まぁ、気持ちもわかるけど」 「・・・」 「それより、ラクス嬢のことはどうするんだ? この艦にいれば、キラにもすぐに知れるぞ」 「・・・そうだな」 *** ラスティがアスランに連れ出され、二人が視界から消えたと思ったら、すぐにアスランだけ戻ってきた。 「アスラン、ラスティは大丈夫、よね?」 「ああ、もちろん。キラのおかげだよ。助かった」 アスランがキラの顔をじっと見る。 「な、何?」 アスランに見つめられて、キラの頬が桜色に染まっていく。 と、アスランが微笑む。 「よかった。涙は止まったね」 「う、うん。自分でもなんで泣いたのかわかんないんだけど」 「いろいろあったからね。 ・・・おいで、俺の部屋に案内するよ」 キラはアスランの差し出した手に掴まり、コックピットを出た。 *** 「アスラン、なんか、視線が・・・」 無重力の格納庫内を移動するキラとアスランに視線が集中していた。 慌ただしく作業している整備士達が、二人を目にした途端、手を止めてあからさまに目で追ってくる。 この場に不似合いな、私服姿の可憐な美少女。 その手を握り、彼女に微笑みかけるアスラン・ザラ。 「みんな、キラに見とれてるんだよ。 キラは綺麗だから」 「アスランったら・・・、もう///」 ヘリオポリスでは、コーディネイターだから、って言われているようで嫌だったけど。 うふふv アスランに言われると、お世辞でも嬉しいなv 「でも、不思議・・・」 「なんだい?」 「私、さっきちょっと、怖かったの。 ここが、戦艦だって・・・」 ああ、そうか・・・ 「そうだわ、私がさっき・・・」 「ちょっとごめん、キラ」 キラには現在地がどこなのかまるでわからないが、アスランの目的地に着いたらしい。 体を静止させ、キラを抱き留めるようにした。 「着替えるから、少しだけここで待っていてくれ」 「あ、うん。少し?」 「ああ。パイロットスーツのままじゃまずいから」 アスランが視界から消えると、キラの笑顔も消えた。 *** next |
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ようやっと、艦に着きました ラクスは出番あるかな? あるといいな、と思うんですけど |
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