再会 (TV本編第一話?)


キラは女の子です
本編一話に添って始めるんですけど、最初からいろいろ違います


「トリィ、アスランは今ごろどうしてると思う?」

「トリィ」



キラの手のひらの上で、トリィは首を傾げて鳴く。



「元気だといいんだけど」



トリィは、アスランが月からプラントへ行く時にキラにくれた、ロボット鳥だ。

おしゃべりはできないのだが、なんとなく話しかけてしまう。



「キラ」

「きゃぁっ!」



物思いに耽っていたキラは、突然肩を叩かれて、びっくりして振り返る。

キラが座っているベンチの後ろに立っていたのは、親友のミリアリアだった。



「もう・・・、おどかさないでよ、ミリィ」

「あら?何度も声を掛けたのよ?何をそんなに考えていたのかしら?」

ふふふ、とミリアリアはからかうように笑う。



「また、初恋の人のことね。キラったら、暇さえあれば彼のことばっかり」

「もう、ミリィったら、からかわないで///」

「あら、褒めてるのよ。会えない人を三年も思い続けるなんて、私には無理よ」



キラとアスランは、三年前に月で別れたきり、ずっと会っていない。

地球とプラントで、戦争が始まってしまい、プラントとは容易に連絡がとれなくなったのだ。



ミリアリアは言いながらベンチに回り込んで座った。

「早く、戦争終わればいいね」

「うん」

「そしたら、彼のことちゃんと紹介してねv」

「うんv///」



***



「へ〜。じゃあ、キラって好きな人いるんだ」

「そうよ。だからキラにちょっかい出しちゃダメよ、トール」

「ばっか言うなよ。俺はミリィ一筋だって。

 俺じゃなくてさ、結構訊かれるんだよ、キラのこと」

「ちょっと、ペラペラ話してるんじゃないわよね」

「違う違う。キラに恋人いるのかって訊かれるんだよ」

「キラ、可愛いもんね。そのくらい当然か」

「そうそう。次は、諦めるように言っておくよ」



カレッジから、ゼミのカトー教授のラボのあるモルゲンレーテ社へ向かうエレカの中である。

後ろに一人座ったキラは、前の席で交わされる二人の会話に、赤くなっていた。



もう、ふたりとも!

せめて、聞こえないところで話してくれないかしら・・・



「トリィ」



と、突然トリィがキラの肩から飛び立ってしまった。



「トリィ!ちょ・・・、トール、止めて!」



キラ制止に従い、エレカを停車させたトールが振り向く。



「どうした?」

「トリィが飛んでっちゃったの!」

「「えーっ!」」



キラは、エレカを降りた。



「ごめん、先に行っていてくれる?トリィ、探してくるわ」

「キラ、私達も一緒に探すわよ」



ミリアリアとトールもすぐに降りようとするが、キラは止めた。



「ううん。大丈夫。それより、もしかしたら今日は休むって言っといてくれるかしら」

「ほんとうに、大丈夫?」

「うん。トリィには、私のところへ戻る機能があるの。

 だから、そんなに時間はかからないとは思うんだけど」

「わかったわ。言っとく」

「じゃあ、またね」



***



「トリィーっ!」



もぉ、どうしたのかしら。

いつもなら呼べば戻ってくるのに。



トリィはキラから距離を置いた上空で、旋回している。



あっちは、公園?

よね。やだなぁ、あそこ広いのに。



呼んでも呼んでも、戻ってくる気配のないトリィに、キラも諦めて走り出す。

公園への入り口は、ここからだとちょっと遠いのだ。



回り込む間に、またトリィが移動しないといいんだけど。

って、消えてるし・・・はぁ。



目を離した隙に、トリィは見えなくなってしまった。



えっと、たしか、この辺り・・・



キラが目星をつけた場所に行くと、池の上に作られた休息所に数人の人影が見えた。



*** next

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