再会−17


キラは女の子です


「それで、これからどうしたらいいのかな?」



アスランの指示に従って、キラは無事に、モビルスーツをハンガーに固定した。

だが、パイロットスーツの類を身につけていないので、格納庫内の空気が確保できるまではモビルスーツから降りられない。

しばらくすると、アスランから通信が入った。



『キラ。もういいから、ハッチを開けてくれ。』

「はい」



コックピットを開き、外に出たキラは・・・

勢いのまま流されそうになったのを、アスランに捕まえてもらった。



「あ、ありがとう。///」



アスランに抱き留められたキラは、恥ずかしそうに目を逸らす。



「気をつけて。ここは重力をつけてないからね」

「う、うん。///」



キラにまわした腕を外し、アスランはキラの手を握った。



「僕が手を引くから、力を抜いていてね」

「うん。・・・あ、ミリィたちは?」



アスランに導かれながら向かう先に、イザーク達と友人達の姿も見えた。



***



「ここで休んでいてくださいね」



キラとキラの友人達を一室へ案内してくれたニコルは、にっこり笑う。



「僕も隊長のところへ報告に行かないといけないので。

 そんなに長い時間はかからないと思いますから、少し待っていてください」



ニコルが部屋を出ていくと、キラ以外の人間が、一斉にキラに説明を求めた。

モビルスーツに乗せられた時、時間が無いからと何の説明も無かったのだから当然である。

が・・・



「キラ、あの人が、キラの初恋の人って、本当なのね!?」



ミリアリアの好奇心が、早かった。



「う、うん。///」

「赤くなってるv ほんとに、初恋の人なんだv」

「ミ、ミリィ、繰り返さないで・・・。///」

「それで、告白した?したわよね?」

「・・・うん。///」

言ったっていうか、聞かれちゃったんだけど・・・。同じよね?



キラの顔は、既に真っ赤になっている。

その顔を覗き込んだミリアリアは、さらに訊く。



「ふふふ。その顔だと、彼にも好きって言われたわね?」



キラは恥ずかしそうに上目遣いでミリアリアを見て、頷いた。

それを見たミリアリアは、いきなりキラを抱きしめる。



「おめでとう!」

よかったわねv



わがことのように喜んでくれるミリアリアに、キラも抱き返した。



「ありがとう、ミリィ」



と、背後から咳払いが聞こえてきた。



「ミリィ。盛り上がってるとこ悪いんだけど。

 僕らにも、説明してくれないかなぁ?」

「なによ、トール。今の話聞いていて、わかんなかったの?」



不思議そうに振り返るミリアリアに、サイが答える。



「いや、あのミリアリアを乗せてたパイロットが、キラの恋人ってのはわかったよ。

 ただ、知りたいのは、なんでキラがあれに乗っていたのかってこと」

「あ、そういえば、そうよね」

「って、ミリィ。今まで、気にしてなかったのかい?」



あまりにもケロッとしてミリアリアが言うので、トールが呆れて訊いた。

現状では、キラの恋人問題より、自分達が巻き込まれた事態の把握が先に決まってる。

なにしろ、ことは戦争なのだ。



「ごめんなさい。私が早く説明すれば良かったのよね。

 でも、私が知っていることも少ないんだけど。

 あのね・・・」



***



「つまり、中立国なのに、モルゲンレーテが地球軍の兵器を作った」

「ザフト軍はそれを、奪取か破壊するのが目的でヘリオポリスに来た」

「で、街を破壊したのは、地球軍」

「私達が乗せてもらったのは、そのモビルスーツなのね・・・」



ミリアリアは、キラとアスランが再会した時の話を聞きたがったが、もちろんキラは後でと口を濁した。

恥ずかしいのもあるし、何より今は、他に話さなければならないことがある。

キラの話を聞いた4人は、さすがに驚いた。



「うん。他に、戦艦もあるかもしれないって聞いたけど・・・」

どうなったのかな・・・



「ヘリオポリスのみんな、無事だといいな」

「「「「うん」」」」



彼らがコロニーを去る時、まだ内部から爆発音が続いていた。

万一、あの中で戦闘が起きれば・・・



*** next

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