再会−15


キラは女の子です


「なんで、街が・・・」

「ザフト軍がやったのか?」

「そうだろ!?攻めてきたんだから!」



ミリアリア達はモルゲンレーテ内の避難所に行ったのだが、既に定員オーバーになっていた。

人数に余裕を持たせてある避難所に、他部署からの人間が集中してしまったのだ。

工場区にも避難所があるのだが、休憩所が研究棟寄りで、時間が悪かった。

いっぱいだからといって、危険が大きそうな工場区へ行くわけにはいかない。

仕方なく、他の職員達と共に社の敷地を出て、それぞれ別の避難所に別れることにした。



敷地を囲う塀の外に出た彼らが見たのは、所々から煙りが立ち上る街並みだった。



「そうかな?攻めてきたと言ったのはモルゲンレーテだろう。

 ザフトが中立コロニーの街を破壊する意味がない」

かえって、不利になるだろう。



ザフトがやったと言うカズイの意見をサイが否定する。



「・・・誰がやったにしろ、とにかく避難しなきゃ」

「そ、そうね。・・・公園に行く?」

「ちょっと離れているが、他に無さそうだ」



4人は公園へ向かい始めたが、その途端、近くで爆発音が立て続けに起こった。



「きゃぁっ!」

「わぁぁぁっ!」

「な、なんだっ!」

「伏せろ!」



サイがみんなを押し倒すその上を、爆風が通り過ぎる。

風が収まるのを待って、そっと身を起こした。



「みんな大丈夫か?」

「あ、ああ」

「ありがと、助かったよ、サイ」

「ミリィ?」



ミリアリアは返事をせず、口を開けて、遠くを指さしていた。

その先には、モビルスーツが数体、立っている。

遠くで爆発音は続いており、どうやら先のを含め、あのモビルスーツに誰かが砲撃しているのだとわかった。



「モビルスーツってことは、ザフト軍?」

「それに攻撃してるのは、誰だ?」

「そんなことより、まずいぞ。

 あの角度だと、砲撃はほとんど公園の方角に向けられているみたいだ」



サイの言うとおり、このモルゲンレーテから公園に行くには、あの砲撃の中を抜けることになる。

そんなこと、できるわけがない。



「じゃあ、どうするの?この近くには他に無いわよ?」

「それに、こんなあからさまに危険が迫ってると、警報レベルが上がって、入れなくなる」



どうしてよいかわからず、立ちつくしていると、突然彼らの上に巨大な影が落ちた。

見上げると・・・



「モ、モビルスーツ!」



一体のモビルスーツが、彼らに向かって飛んできた。



どぉぉぉぉぉん!という音が響き渡る。

モビルスーツが着地したのだ。



「な、なんで、なんでこんな・・・」



目の前の驚異に、震えだしたミリアリアをトールが抱きしめる。

サイとカズイも我に返り、ミリアリアを庇うように立つ。



だが、そのモビルスーツは唐突に跪いた。



「ミリィ!みんな!どうして避難してないの!?」



そのコックピットから顔を出したのは、キラだった。



「「「「キ、キラ?」」」」

なんでキラが???



突然のことに、呆然としてしまっている。



キラは下へ降り、みんなに歩み寄った。



「みんな、避難所へ行ったはずでしょう?」

「それが、定員オーバーで・・・」

「そんな!十分あるはずでしょ?」

「工場区の人が流れてきたらしい」

「あ・・・、そうか」



キラにも事態が飲み込めた。



「そ、それより、キラ。なんでおまえ、これに?」

「そうよ、キラ!どうして?」



友人達の疑問はもっともだったが、キラも簡単には説明できない。

それに、ここは危険なのだ。時間も無い。



「今、説明している暇は無いわ。

 とにかく、みんな避難しなきゃね」

「けど、この近くに避難所が・・・」

「公園・・・は、煙が上がってるわね・・・。どうしよう」

これでなら遠くへも送れるけど、攻撃を受けるから危ないし。



困ってキラが辺りを見回すと、4体のモビルスーツがこちらへ移動してくるのが見えた。



*** next

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