ストライクの捕獲の仕方(女の子キラ) (TV本編第11話より) | ||
注意/キラは女の子です AAが月艦隊と合流する直前で、攻撃を受けるところ ほんとはラクス送っていったんだけど、ここでは無視 アスランはガモフに残っています |
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「確かに合流前に追いつくことはできますが これではこちらが月艦隊の射程に入るまで 10分ほどしかありませんよ」 「10分あるってことだろ」 「臆病者はだまっているんだな」 ニコルの進言を、イザークとディアッカは鼻で笑う。 「10分しかないのか、10分はあるのか。 それは考え方ってことさ。なぁ、アスラン?」 ずっと黙っているアスランに、イザークは同意を求める。 いや、求めるような言葉で、アスランを揶揄しているのだ。 だが・・・ 「そう、だな。10分あれば」 まさかアスランが肯定するとは。 それがそこにいる三人に共通した感想だ。 「ア、アスラン?あなたまで!」 「へぇ、たまには意見、合うんだな?」 イザークはだが、アスランを見据えた。 アスランが、ただ同意したようには見えなかったのだ。 「アスラン、何を考えている?」 「今回、"足つき"ではなく、ストライク捕獲をしたい」 「またか!あんなもの、さっさと始末すればいいだろうが!」 「そうそう。Gは四機もあるんだぜ? これまでの戦闘で、ストライクのデータだって、だいたい採取できてるんだ。 今更持ってきてどうするんだ?」 「それは・・・」 アスランは言い淀んだ。 キラのことは、クルーゼに口止めされている。 しかし、言わないで彼らを納得させることもできない。 今を逃しては、もうチャンスは来ないかもしれないのに。 「・・・ストライクのパイロットは少女なんだ」 意を決して言ったアスランの言葉に 聞いた三人は、驚きに目を見張った。 あれだけ自分たちを手こずらせた相手が・・・少女? 「なんだと!貴様、なんでそんなことを知っている!」 「なになに、あんたナチュラルに知り合いいるんだ? っていうか、少女? 地球軍って、女子供を戦わせるのか?」 「まさかアスラン、知り合い、なんですか?」 だから、この前あんなことを? 「キラは、ストライクのパイロット、キラ・ヤマトは 月の幼年学校からの、俺の幼なじみだ。 一世代目のコーディネイターで ヘリオポリスで暮らしていた、民間人なんだ」 コーディネイター? 民間人? 「ちょっと待って。確認させてください。 あの地球軍のパイロットは 一世代目のコーディネイターで、女の子。さらに民間人なんですか?」 「ああ」 「なんでそんな人が、あれに乗ってるんです?」 「それはわからない。ただ、"足つき"に友達が乗っているから守ると言っていた」 「あの艦に、他にも民間人が乗ってるんですか? まさか、それもコーディネイターとかいいませんよね?」 「たぶん、違う。キラしかいないから、キラがMSに乗ってるんだろう」 「そうですか・・・」 とりあえず、納得したらしいニコルはいいが 問題は、イザークとディアッカである。 特にイザークは、ストライクを倒すことに執念を燃やしているから。 「アスラン。ストライクのパイロットは 本当にコーディネイターの女なんだな?」 「そうだ」 「ナチュラルではなく、民間人だと」 「ああ」 「それなら、ストライクの捕獲に協力してやってもいいぞ」 「俺もいいよ〜。コーディネイターの女の子なんだろ。OK、OK」 *** 「では、作戦はそれでいいんですね? アスラン、貴方の思惑どおりに事が運ばなかったら かなり、危険ですよ?」 「本人がそれがいいってんだから、いいじゃん」 「四機で囲むんだ。ダメなら墜とせはいいだけだ」 *** 「レーダー波に干渉!Nジャマー反応増大!」 「ローラシア級!MS熱紋確認! バスター!ブリッツ!デュエル!イージスです!」 *** 『総員第一戦闘配備!繰り返す、総員第一戦闘配備!』 「アスランがいませんように!」 出撃するために走りながらキラは呟く。 なんで攻撃してくるの? あと少し! あと少しで、艦隊に合流出来るのに! そうしたら、もう戦わなくて済むのに! なんで来るの! なにより・・・ なにもこんな日に来ないでよ! *** 『キラ。敵はローラシア級一隻に、G四機です。』 「了解」 アスラン! やっぱりアスランなんだ! もう、もう、なんだって貴方が来るの!? 戦いたくないのに! どうして貴方と、戦わなくちゃいけないの!? はぁ。 誰も傷つけたくない・・・ 人を殺すなんてしたくない・・・ ああ、でも。 こんな体調最悪の日に、襲ってくるなんて。 死ぬのは、私の方かな? どうせなら、アスランに殺されたいな。 アスランは優しいから、きっと憶えていてくれる。 ラクスと結婚しても、私を殺したことを憶えていてくれるわ。 そうよ。そうだわ。 なんで今まで気が付かなかったのかしら。 アスランに殺される。 そうすればもう、戦わなくていい。 アスランへの想いを忘れなくてもいい。 はっ!いけない、私ったら。 思考が後ろ向きになってる。 こんなんじゃ、ほんとに、AAを守れない。 ダメよ、私。AAを守るの。守るために戦うの。 「キラ・ヤマト、ストライク出ます!」 *** 『ストライク、出てきましたね。』 『MAも出てきたがな。』 「相手にするなよ?」 『わかってる、って。』 『作戦を開始する。』 『『「了解」』』 *** キラは戸惑っていた。 出撃したストライクのに G四機がすべて向かってくる。 いつもなら、AAとMAに一機ずつ ストライクに残り二機、というのがこれまでのパターンだった。 それが今回、脇目も振らずというように ストライクに近づいてくる。 それも、全く攻撃してこないのだ。 攻撃してこない相手を攻撃するなど、キラにはできない。 『ストライク!キラ・ヤマト!攻撃しろ!』 AAからは盛んに攻撃の指示がくるし 実際、AAもMAも、敵MSに砲撃をしている。 だが、G達は避けるだけで、対抗してこない。 なんで? *** 『なんか、アスランの言うとおりですね。』 『甘い。甘すぎる。いくら女だと言っても、これは。』 『ひゅ〜。アスラン、さすが幼なじみだな。性格が良くわかってるってわけだ。』 アスランの作戦は簡単だ。 "足つき"とMAに、一切攻撃をしない。 もちろん、ストライクにも攻撃しない。 それだけだ。 普通なら、そんなものは作戦とは言わない。 だが相手がキラなら、別だ。 彼女は戦いなど、望まない。 彼女が今まで戦っていたのは、ザフトが攻撃したからだ。 では、攻撃をしなければ? ・・・キラから攻撃することなど、アスランには考えられなかった。 *** 攻撃できずにいるうちに G四機に囲まれてしまった。 それもすぐ近く。 あまりにも近いので、AAもMAも攻撃できなくなっていた。 キラはストライクを操り、なんとか離れようとしたが 四対一の追いかけっこでは、勝ち目がなかった。 振り切っても振り切っても、すぐ囲まれるのである。 キラはイライラしてきた。 なにがなんだか、わからない。 先ほどから、また下腹が痛む。 貧血気味なのか、体が動かしづらい。 『キラ、キラ。大丈夫?』 「ミリアリア。大丈夫じゃない。なんだと思う?これ」 『さ、さあ。艦長たちも何がなんだかわからない、って言ってるわ。』 「うーっ。それよりミリアリア、私、もうダメだわ」 『ちょ、ちょっと、ダメって、キラ?どうしたの?』 「貧血・・・その他。体がつらいの」 『もしかして?』 「そう!ごめん。もうギブアップ。も、う・・・」 『キラ?キラ!ダメよ、キラ!今、気を失ったりしたら・・・』 貧血と痛みで、キラは気を失ってしまった。 *** next |
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また、キラを女の子にしてしまいました ちょっと長かったので、分けましたが いっしょにupしてます |
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